ホステス・キャバ嬢はキャラクターが命! ネタとして消費されるお仕事
もち乃です。
銀座の小さなクラブで働いてみて、元々持っていたホステスのイメージと実際とで違ったところが結構ありました。
こんなに大変だと思わなかった! とかじゃないですよ。
キャバ嬢やってる友人もいたし、「楽して稼げそう」「適当に喋ってればよさそう」なんて思ってたわけでもないんです。
もっと具体的な仕事の部分、というんでしょうか。
やっぱり何事も経験してみないと分からないもんですね。
ホステスを例えるなら-その1-
お店に入った時にママにもお客様にも言われたのが、「女優のつもりでホステスの自分を演じればいい」ということ。
きれいに着飾って非日常の世界を作るという意味では、なるほどそんな感じがします。
でもね、最近それよりもっとしっくりくる例えが見つかっちゃったんですよ。
…なんか、ひな壇芸人みたいじゃない?
って。
もしくはお笑い番組のオーディションを受ける芸人でもいいです。
(バカリズムさんのネタに芸人をバカにした態度でオーディションをするスタッフ(プロデューサー?)ってのがあるんですけど、実際にご本人がオーディションを受けた時にそういう嫌な思いをしたんだろうな~っていう恨みがこもっていて面白いので、どっかで見られたら是非見てみてください)
いかにインパクトのあるネタを提供できるかで評価されるっていう点でかなり近いものを感じます。
キャバクラやクラブに来るお客さんって、そこそこ普通に通っている方だと「女性と話せる」なんてことだけのために来ているわけじゃないんですよね。(そりゃそうだ)
女が相手するのは当然で、そこからどれだけ面白がらせてもらえるかに期待しているんじゃないかと。
夜の店での接客って色っぽいイメージがかなり強いですけど、実際はそんなの必要な場面ある? ってくらい笑い寄りです。
ルックスがいいかどうかもあくまで前提条件で、「美人だね、で、面白い返しできるわけ?」みたいな感じになります。
その返しもインパクトがあればあるだけウケるので、抵抗なく強烈なネタを提供できる子はほんと強いです。
(あまりにも下品なネタはさすがにまずいですけど、聞いてると割となんでもありな世界なので気にせず言ったもん勝ち)
気取ったり、自分の見せたい部分だけをきれいに演出してたらぜんぜん面白くないですもんね。
バカバカしかったり思い切りぶっちゃけたりしてるのが、見てる側の求めるものなんだと思います。
お店は舞台かもしれませんが、ホステスは女優じゃなくて芸人です。
ホステスを例えるなら-その2-
なんとか爪痕を残すべくお店で奮闘しているうちに、「なんか過去に経験したものとも似てるような…」って気がしてきました。
必死で自分の引き出しを総ざらいして、売りになりそうなものをかき集めてる感じ。
人と同じようなエピソードしかないのに、他との差別化を図ろうと話を盛りまくっている苦しさ。
…あ、就活の時とおんなじだわ!
たくさんの横並びの学生の中でどうにかして目立たなければいけないけど、手持ちに大した武器がなくて絶望したっけ…。
学歴なんてただの足切り要素で、人事を「おっ」と思わせる何かがないと選んでもらえないと痛感したあの日。
希望の業界で内定を取った友人が、就活のコツを「堂々とはったりをかませるかどうかが一番大事」って言ってて脱力したなぁ。
なんかどんどんセンチメンタルになってきてますが、人に選ばれるって所詮そういうことなんだな、って思います。
個性をうまくアピールできるかってきれいごとじゃすまされないとこありますよね。
正直に実力を申告してたら誰にも評価されない、みたいな。
「口だけ番長が得する」感じでどうにも腑に落ちないですけど、世の中そんなもんです。
おわりに
そんなわけで、お客様という厳しい審査員を前に今日も道化と化すへなちょこホステスでございます。
でもキャラクターなんてそんな簡単に強化できないって!
娯楽を提供するってなかなかのいばらの道だわ…。
おしまい。