ローン・キャッシングの総量規制はザルみたいな仕組みなので、多重債務の抑止にはなりません!
もち乃です。
ローンやキャッシングといった借金って、法律も業者の審査基準なんかも細かく色々決まってそうで隙が無いイメージがありませんか?
確かにお金に関することなので厳密と言えば厳密なんですけど、時代の変化もあるし、人間のやることですから完璧というわけにはいきません。
なんだか変なことになってしまっていることと言えば、これです。
総量規制というルール
貸金業法という法律の中に「総量規制」という決まりがあります。
Q2-1. 総量規制とは何ですか?
A2-1. 借り過ぎ・貸し過ぎを防ぐために設けられた新しい規制です。具体的には、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合は、新たな借入れはできなくなる、という内容です。(出典:貸金業法Q&A:金融庁)
例えば、年収300万円の方は、貸金業者から100万円までしか借りることができないということになります。
収入に見合った金額までしか借りられないのであれば、返済できない位まで借りてしまうこともなくなっていいですね!
抜け穴 その1
でもちょっと待ってください。
私が現在抱えている借金は約440万円です。
が、当然ながら年収は1,320万円もありません!
借入残高が余裕で年収の3分の1を超えてます。
総量規制を含む貸金業法が施行された2010年より後にできた借金なのに、なんで?
答えはこれです。
A2-13. (略)クレジットカードを使った商品購入(ショッピング)は、貸金業法の規制の対象外ですので、年収の3分の1を超える借入れがある場合でも、クレジットカードで買い物をすることは可能です。
(出典:貸金業法Q&A:金融庁)
そう、私の借金はクレジットカードのショッピング枠を利用したものなので、金額にまったく制限がなかったんです。
持っているクレジットカードの利用限度額の合計まではじゃんじゃん使えました。
クレジットカードの利用代金も支払うまでは立派な借金なんですけどね。
抜け穴 その2
今やカードローンやキャッシングの主流は銀行が貸し出しているものです。
テレビでも人気の芸能人を使って盛んにCMを打っていますよね。
ここでもう一度金融庁のQ&Aを見てみましょう。
Q1-4. 貸金業法の対象となる「貸金業者」とは、どんな業者ですか?
A1-4. お金を貸す業務を行っており、財務局又は都道府県に登録をしている業者のことを、「貸金業者」といいます。具体的には、消費者金融、クレジットカード会社などが貸金業者です(※)。銀行や、信用金庫、信用組合、労働金庫なども、様々な融資を行っていますが、これらは「貸金業者」ではありません。
(出典:貸金業法Q&A:金融庁)
大々的にお金を貸しているのが銀行なのに、それが総量規制の対象外って規制の意味ある…?
総量規制の欠陥
そもそも貸金業法って、消費者金融でお金を借り過ぎて返せなくなる人がたくさん出てしまった問題に対応してできた法律だったと思います。
以前はカードローンやキャッシングといえば消費者金融がメインでしたもんね。
だからと言って対象を消費者金融に限らず、銀行も入れとけば総量規制もまだ機能していたはず。
でも銀行の融資まで規制するなんて大人の事情でできないですよね~。
そしてマイナス金利の時代になり、銀行は利ざやの稼げるカードローンやキャッシングを頼みの綱にして、どんどんお金を貸し出そうとしています。
なんか消費者金融がガンガンお金を貸しまくって多重債務者問題を引き起こしたのと同じことが、また起こりそうな気がするんですが。
前回の反省からできた規制はなんの意味もないですしねぇ。
銀行だからきちんと審査をしているから問題ないかと思ったら、意外とそうでもなかったりして。
金融庁も銀行が過剰な貸し出しをしていないか実態調査を始めたみたいです。
でも、2010年に銀行が総量規制に入らなかった時点でおかしいのは分かりきっていたし、メディアでも度々問題視されてきてたので今さら感がすごいですね。
おわりに
銀行はビジネスなので、貸せると判断したらどんどん貸そうとしてきます。
法律は後追いのため、新しい流れからは守ってくれません。
結局お金を借り過ぎないようにするには、自分自身で判断するしかないんですよね。
私は多額の借金を作ってしまったので偉そうなことは言えないですが…。
気軽にお金を借りるのはほんとにやめた方がいいですよ!
年収の3分の1を超えてなくても借金は借金だし、ほっとくとどんどん増えますからね!
おしまい。