【解説】リボ払いの支払い方法についての用語がカオスな件 元利定額? 元金定額? 残高スライド?
もち乃です。
今やどのクレジットカードも積極的に利用をすすめているリボ払いですが、支払い方法(金額の設定など)がそれぞれ微妙に違うのはこちらの記事でまとめた通りです。
なんですけど、利用残高(元金)と手数料をそれぞれどのくらい支払うかという部分に関する用語が、ちょっとかじった程度だと余計に分からなくなるレベルで難解というか紛らわしかったのでそれについて掘り下げたいと思います。
リボ払いに関する用語のカオスな状態
まず、リボ払いの支払い方式で使われる用語としては
元利定額方式
元金定額方式
があります。
この時点で2つの字面が似ていて非常に紛らわしい…。
それぞれの意味は以下の通りです。
- 元利定額方式
利用残高(元金)と手数料(利息)を合わせた金額が毎回同じになる。
元金+利息で「元利」ということですね。 - 元金定額方式
毎回同じ利用残高(元金)に手数料(利息)を合わせた金額を支払う。
これには「元利(金)定額返済方式」「元利(金)定額リボルビング」などの亜種も存在しますが、すべて同じ意味で使われています。
さらには「元利(金)均等返済方式」という言葉もあるんです。
これも意味としては同じですが、主に住宅ローンや学資ローン(奨学金)などの業界で使われている模様…。
それから「元利(金)定率返済方式」なんてのまであります。
これは上記のとはちょっと違って、「定率」なので支払い額が利用残高(元金)に対して一定の割合になります。
主にキャッシングやローンの世界で使われているようです。
そしてリボ払いではここに高い確率で
残高スライド
という用語が加わります。
「残高スライド元利(金)定額方式」みたいな感じです。
- 残高スライド
利用残高(元金)の増減によって毎回の支払い金額が変わるということ。
(例)利用残高10万円までは毎月5,000円、10万円~20万円は毎月10,000円など
この言葉が付いていると支払い額が自動的に変わっていくタイプだってことです。
でもこれ、表記が「元利(金)定額方式」だけだったからといって支払い額がずっと固定(残高スライドしない)かというとそうでもなくて、ただ表記に「残高スライド」を付けてないだけって会社もあるんですよ。
逆に「残高スライド方式」しか書いてなくて元利定額なのか元金定額なのかすぐには分からないところも。
あと「残高スライド」なのに元利(金)「定額」ってなんか矛盾してません?
固定なのか変動なのかはっきりしてよってなる。
まぁこの「定額」は先ほど出てきた「定率」に対応してるんでしょうけど…。
私は慣れるまでこれでかなり混乱しました。
リボ払いの支払い方式を把握するには
だいぶ色々出てきて訳が分からなくなってきたので、重要ポイントをまとめますね。
リボ払いの支払い方式がどういったタイプかを判断するために気にすべき点は2つだけです。
- 元利定額方式か元金定額方式か(キャッシングの場合は定率もある)
- 残高スライドかずっと固定か
たったこれだけのことなのに、知らない人が調べようとして一回で理解するのはまず無理だと言っていいでしょう。
なぜこんなに分かりにくいのかというと、業界として用語の使い方がしっかり統一されていなくて、各クレジットカード会社がそれぞれ勝手に違う表記を使っていることが大きな要因だと思います。
カード会社としては利用者にそんなに詳しい仕組みまで理解してもらいたいと思っていないんじゃないかな。
むしろよく分からない状態でばんばんリボ払いで使ってもらった方がありがたいですもんね。
(コンプライアンス的には「分かりやすくご説明する責任があります!」みたいな姿勢を装いつつ)
でも最後に、これだけ言わせていただきたい。
ただでさえ複雑な仕組みなんだから、
せめて用語は統一して!
ちなみに何度も言ってますが、今回出てきたどのタイプでもリボ払いというもの自体がリスクの大きな支払い方法なので、私はおすすめしていません。
気軽に使ってみようかななんて思わず、仕組みをしっかり理解しておくといいですよ。
おしまい。